Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

セントルイス大学政治学部教授。国際関係学科主任。元米空軍教員。

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ブルースカイはこちら @norikatagiri.bsky.social。

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研究者の方々へ、Global Studies Quarterly (https://academic.oup.com/isagsq) への寄稿を是非ご考慮下さい。副編集長として編集作業に携わっております。お気軽にお問い合わせください。日本の多くの大学がそうであるように、JUSTICE (https://contents.nii.ac.jp/justice) 所属大学の方々はオープンアクセス出版料金が免除されます。

2020年12月

新年の願い

早くコロナが終息し、来年はよい年でありますように。

娘も願いを込めて、左奥のを塗り絵した。

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ズームで授業する場合の注意

新学期にアジアの政治を教えるにあたり、留意する点が幾つかある。その中の一つに、政治的にセンシティブな内容を話す場合に備える点である。

学生達にとって良い授業を行うためには、物議を醸す可能性のある内容も時には話さなくてはならない。ただ、それをするにあたり、その種の会話を防ごうとする機関からの圧力や妨害から、授業を取っている学生たちを守る必要が生じる。

このような出来事があれば、そう考えるのも当然だ。ズームなどで遠隔授業をしていても、安全だと仮定することはもうできない。授業内容を当局が傍受すれば学生や自分を危険に晒すことになるからだ。

対応の一つとして、ズームを適切にセットすることができる。授業で使うデータが通る世界各地の回線を、予め自分で選ぶことができるのだ。私も早速やっておいた。このURLから対応できる。



トルストイ「戦争と平和」

冬休みの時間を使って、トルストイ「戦争と平和」を進めている。

授業の準備や採点の仕事がなくなったため、一日平均20ページほど読めている。

私はついに第四巻に到達し、600ページほどのうち350ページを超えているが、話はまだ終わらない。モスクワを5週間占領したナポレオンがロシアから退却し、主人公の一人だったアンドレイ公爵らが死に、世間は混沌の時代を生きている、という地点にいる。

傑作だと広く呼ばれているこの本から学ぶことは多いが、その中でも特に興味を持っているのが、ロシア人の古典的な考え方や人生に対する期待や目的が、今のロシア人の中にも浸透しており、それが時折彼らの行動様式に反映されている点である。

もちろん現代の視点から見れば、狭義の日ロ関係で北方領土や領空問題などの紛争の点が挙げられる。また、この本の中でも階級制度が当時のロシア社会を強く定義しており、当時の生活が様々な面でいかに分断されているのかも分かる。

しかし同時に、トルストイの描く人生観や対外的な視点を見る限り、相当な範囲で一般化できそうな大衆の感覚も、「戦争と平和」から見つけることができる。

極寒のクリスマス

クリスマスイブの夜はマイナス12度まで下がったようで、2年前のこの時期に訪れたウラジオストックを思い出した。現地では日中でもそれくらい寒さを感じた。



ところが、3年前のセントルイスではマイナス22℃まで下がったようだ。



ただ、数年前にエジンバラで昼食を一緒に取った友人には勝てない。冬の厳しいカザフスタンでかつて教鞭をとっていた彼が言っていたことの一つに、マイナス40度とマイナス20度で感じる温度は違う、ということがあった。ベテランにはまだ及ばない。


クリスマスイブの食事

ケーキは娘も手伝ってくれた。最高気温マイナス6℃のこの日、家の中は暖かった。

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進む研究専門誌の分権化

国際関係学の進化は続く。ここ数年アメリカ含む世界の学問の世界で起きている現象の一つに、新しい専門誌が生まれる傾向がある。専門誌の分権化、そしてそれに伴う、アカデミアの中央集権の弱化を助長する良いトレンドである。

この背景にあるのは、国際関係学の専門家の数の近年の増加がある。それに伴い、出版機会の需要が増えている。需要が増加すれば、自然にアウトレット数の拡大が必要になる。私がボードメンバーを務めている Global Studies Quarterly も今年できた新しい雑誌で、良い例だ。

もちろんそれに伴うコストも大きい。論文の提出数が増えれば、専門誌の運営に必要なスタッフや査読者の数も増える。ピアレビューは簡単な作業ではないし、コストカットはどんな場合でも難しい。しかし同時に専門誌の間の競争も高まるし、出版機会を求める研究者には良い面が多い。

今回のコロナ禍で、専門誌分権化の必要性が増長された。既存の研究者は在宅仕事が増え、その分執筆する時間も増え、最終的に研究論文の提出が増えた。このペースに合うようにアウトレットの数が増えなければ、バックログが長くなり、多くの人間が困ることになる。

しかしコロナが原因で、研究者の数が短期的に減少する可能性もある。コロナで生活が困難になり、研究どころではなくなる人が増える。少なくともアメリカでは、来年政治学の博士課程に入学する学生数は減少する。出版の世界では数年後、一時的で限定的ななホローアウトの現象が見られるかもしれない。

エズラ・ボーグル先生

限られた環境の中、研究やキャリアの面だけでなく、日本での旅行などの非常に楽しい会話をさせて頂いた。戦後の日米を最も近づけた人間の一人。

ご冥福をお祈りします。

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写真はマンスフィールド財団から、3・4年前のモンタナにて。

来学期の授業の準備

秋学期の授業が終わったので、来学期の授業の準備を始めた。春は授業を2つ担当する。一つは国際関係学入門で、もう一つがアジアの政治学である。

今回は大学の教室では授業は行わず、自宅からズームで放送する。これには幾つか理由がある。まず、コロナ禍から生徒たちや自分を守る必要。そしてハイブリッド方式には問題が多く、ズームのみで行うほうが教育的視点から効果がある可能性がある点。そして、通勤時間をセーブする効果、などがある。

今週はアジアの政治学の授業のシラバスを作っている。今まで教えていた時は週2の授業だったが、今学期は週3になる。なので10回ほど新しい授業を作る必要が生じたため、それに伴い新しい課題を要することになる。

また、今回は完全にオンラインの授業なので、生徒の成績を公平につけるために、中間試験や期末試験を中止し、替わりに論文の課題を出すことにした。

アジア学科長の任務完了

1年半にわたって務めたアジア学科長の任務が完了した。大学の上の方から突然頼まれて引き受けたこの役職、大変なときもあったがやりがいのある仕事だった。アジアについて教える教授陣から成り立つ顧問委員会をまとめながら、教授陣の意見を取り入れ、学生数を増やすという仕事は予想以上に苦労するときもあったが、今後として良い経験になるだろう。

具体的には、一時撤廃のマーキングがつけられた中国語学科を復活させるために教授陣を動員しプロボストらに手紙でアピールし、結果として復活させた点、そしてプログラムのカリキュラムを減らし学生数を増やした点などが挙げられる。

私のもう一つの役職は国際関係学科長で、これも大変だがやりがいがある。アジア学とは少し違う力学で、学科が私の学部内にあるため、学科長はより中心的な役割を持つ。その分責任も増すが、普段から接している同僚であるため仕事がやり易いという部分もある。

京都訪問予定@来年8月

来年8月開催予定の学会に、提出していた提案書が通ったので、参加する方向で調整を進める。場所は京都、3年ぶりの再訪となる。



発表する研究は日本のサイバー反撃について、戦略、技術、そして法律の角度から分析するもの。この論文の執筆は完成しているので、理想的には発表する時点で出版されている。
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