Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

セントルイス大学政治学部教授。国際関係学科主任。元米空軍教員。

経歴・学術論文等はこちら:https://researchmap.jp/katagirinoriyuki

ブルースカイはこちら @norikatagiri.bsky.social。

執筆、講演等の仕事の依頼は nori.katagiri@slu.edu までお願いします。

研究者の方々へ、Global Studies Quarterly (https://academic.oup.com/isagsq) への寄稿を是非ご考慮下さい。副編集長として編集作業に携わっております。お気軽にお問い合わせください。日本の多くの大学がそうであるように、JUSTICE (https://contents.nii.ac.jp/justice) 所属大学の方々はオープンアクセス出版料金が免除されます。

2021年06月

日本の「サイバー能力」は Tier 3@IISS

IISS の報告によると、日本の「サイバー能力」は Tier 3 とのことである。



基本的に私の見方と近いものがある。



Tier 2 の国々はほとんどに同意できるが、カナダの部分が多少気になる。また、このランキングからは多くの国が外されているが、Tier 2には例えばオランダやドイツを加えることができると思う。

Gizmodo 記事「GIZ Asks:歴史上もっともヤバかったハッキングはどれ?」

人類史上最大のハッキング・インシデントは何かと、複数の専門家に聞いたところこのような返事があったようだ。



一番重要なのは、この記事にある「ヤバかった」の定義で、それが各々の専門家の定義とどれほど重なっているかで、答えが相当変わってきてる点だろう。

私が最初に思いついた答えはスタックスネットだったが、サイバー攻撃が与えたインパクトやその時の環境などを考えれば、他のインシデントが出てきてもおかしくはない。

また、どのタイム・フレームの中で、どの尺度で「ヤバさ」を図るかで、我々の見方も変化する。

今日の成果

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注目すべきレーザー兵器

ここ数か月で大きな進展が見られたようだ。



もう20年以上ミサイル防衛の技術や政策を追っているが、今回の発展は意味のあるもので、今後の進展に期待している。

特にアメリカが同種のシステムを導入もしくは向上させれば日本への配備の可能性も格段高まる。もちろん、日本国内の法、政治、経済、社会的な背景も十分考慮してからの運用にはなるだろう。

NHK記事「“最恐ウイルス”に立ち向かった 8人の日本人ハッカー」

NHKの有益な記事。



こうして世界で活躍する日本人を見るのは嬉しいこと。今後もその数は増えるだろう。

ただ、ハッキングの世界で実名出しての活動はあまり良案だとは思わない。気持ちは多少なりとも理解できるが。事実、取材依頼を受けた8人のうち6人は何らかの形で協力をしていない。

Shinzo Abe’s Indo-Pacific Strategy 論文の要旨

2年ほど前に出版した以下の論文の要旨を日本語でまとめました。



この論文は以下のページから無料でダウンロードできます。



本稿では、国際関係学の理論を用い、第二次安倍政権時代の日本の外交政策を分析する。アメリカなど主に西洋の学問で繰り広げられる国際関係学の枠組みの中で、現在使われているいくつかの理論を用いて、2012年から2017年までの日本の外交政策をどのように説明できるのか検証する。論文の前半では、攻撃型リアリズム(offensive realism)、防衛型リアリズム(defensive realism)、リベラリズム、そしてコンストラクティビズムの四つの理論が各々どのようなスタンスを取るのか、最新の文献を用いながら説明する。それを元に、論文の後半では以下の二点に注目する。


第一に、安倍政権の外交政策はその多角性から、単に一つの国際関係理論では説明できない点を主張する。より有効な分析手段として、防衛型リアリズムとリベラリズムの組み合わせをここにて提案する。まず、防衛型リアリズムは主に日本の平和憲法と専守防衛政策の維持、そして日米同盟の更なる強化の二本柱を中心とする。従って攻撃型リアリズムが説くような、地域・世界覇権のための他国への軍事進攻及び核武装などの政策は、現代の日本の外交政策には極めて適していない点を説明する。


一方でリベラリズムは一般的に、民主主義拡散による平和(デモクラティック・ピース)、経済的相互依存、そして国際機構による平和構築の三点に注目するが、それらが平等に安倍政権の政策に当てはまることはなかった。2010年度半ば以降台頭した傾向は、アジア太平洋地域との経済関係を強化する意図が強かった点である。そのため、民主主義に基づく価値外交や国際機構制度の魅力を用いた平和構築というよりも、極めてプラグマティックな経済的側面が強いことがわかる。それにより、本来の防衛型リアリズムに基づく外交政策というよりは、実は活動的で広範囲にわたる経済ビジョンが中心になっていたのである。


第二に、安倍政権の外交政策は従来の日米同盟の強化と東南アジア諸国との連携強化に加え、南アジアを含む地域で成長を遂げる国家との協力関係を元に、戦略的な同盟相手を探すことを目的としていたと主張する。中国とは安全保障面での競争相手、そして経済的なパートナーとして複雑な関係を維持する一方、アジア太平洋地域における中国のプレゼンスをチェックするため、東南アジアと南アジアとの安全保障アーキテクチャの形成と経済ネットワークの強化を含んでいる。特にインドとの関係強化は顕著で、本稿では日印指導者間の交流と軍事協力、そして両国間の海外直接投資などが増加している点に注目し、中国とのライバル関係が継続されるうちは日印関係も強化し続けると予測する。


これらの点に注目し、安倍政権が今後としても経済重視、日米同盟の強化、そしてアジア地域への進出の傾向が続くものだろうと本稿は結論付けた。

セントルイスのスタバとパスタ・ハウス

今週は買い物がてらにスタバを訪れた。早速目に入るのが、今月用のカップのデザイン。プライド・マンス用のようだ。

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我々が手にしたのはフラプチーノ。私は安定と実績のバニラ味。
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夕食は、セントルイスにしかない、セントルイス人による、セントルイスのためのパスタ・ハウス。私のオーダーは手前のシーフード・クリーム。麺が少し伸びた状態で出てくるのがシブい。味は良かった。

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Asian Security 誌の編集委員に任命

Asian Security 誌の編集委員に任命された。ウェブでの名前掲載には時間がかかるだろうが、今日付けの名誉である。



このジャーナルには論文を三本出版している。今後は編集委員として今までより増した形で貢献したい。

幸田真音氏の「日本国債(上)」読み始め

幸田真音氏の「日本国債(上)」を読み始めた。



スパイや国際政治系のネタが多いこのブログでは珍しい、経済系の一冊である。経済系といえば、1年ほど前に、横尾氏の「野村證券第2事業法人部」を読んだ。これはとても面白かった。


高坂正堯氏の「国際政治 改版」読了

高坂正堯氏の「国際政治 改版」を読了した。

素晴らしい一冊だった。入門書では決してないが、1960年代に通用した現実的な視点は現在も非常に有益な枠組みを与えている。この本が出版された60年代にはこの種の本が少なかったとも推測される。そうであれば画期的な一冊だったに違いない。

単に学者だけでなく、外交や防衛の方向に行く人にも強くお薦めできる。
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