Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

セントルイス大学政治学部教授。国際関係学科主任。元米空軍教員。

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研究者の方々へ、Global Studies Quarterly (https://academic.oup.com/isagsq) への寄稿を是非ご考慮下さい。副編集長として編集作業に携わっております。お気軽にお問い合わせください。日本の多くの大学がそうであるように、JUSTICE (https://contents.nii.ac.jp/justice) 所属大学の方々はオープンアクセス出版料金が免除されます。

2022年01月

NHK: 「ジョンウンとトランプ 27通の往復書簡が示すもの」

NHKのこの記事は良かった。



トランプの外交政策は一般的にロシアとの親密な関係や国際規範からの逸脱など、様々な面で否定的に捉えられている一方、対北政策は中々公平に評価はされていない。これらの27通の書簡はその一部だが、当時の北朝鮮との関係を評価するにあたり重要な情報であるとは感じる。

ボルトンは意外に冷静な回顧をしており、最後の提言の部分もまともである。一方ユンのは問題がある。例えば2019年8月5日の書簡の下にある彼のコメントだが、この書簡から北朝鮮が軍事・経済的な力を高めなくてはならないなどとの結論は引き出せない。また、最後の日本への提言に関しても、現在の東アジアの政治的背景を無視している点が痛い。

The Times: Is the rise of killer machines closer than we think?

ペイウォールがあるため講読が必要になるが、人工知能の第一人者の見解に関するこの記事はよかった。



世界は超知能の方向に向かいつつも、それ以前に人類が多くのことをすれば最悪の事態を防げるという、悲観論と楽観論がバランスよく混ぜ合わされている。

プーチン大統領の戦争計画

残念な方向に向かいつつあるウクライナ情勢だが、このサイトにはプーチン大統領の戦争作戦計画のシナリオが書いており興味深い。



ウクライナ各地の詳細まで書かれており、専門家の方には相当有益な情報ではあるだろう。ただし、留意すべき点がいくつかある。

1.この分析には政治的側面が欠陥している。戦争は政治的変化も生み出すが、クラウゼヴィッツの言う通り戦争は政治の延長にある。このシナリオ通り繰り広げられる前に、モスクワ、キエフ、ワシントン、ブリュッセルの首脳の間での政治的決着は可能である。

2.ウクライナ軍からの反撃。私の読む分析のほとんどがロシア軍の軍事的優勢を報じているが、全てのユニットにおいてその原則が当てはまるわけではない。多少の敗北も考慮されるべきだが、この分析にはその可能性はほとんど考慮されていない。

Newsweek 日本版「最新鋭のミグを迎え撃つウクライナ空軍の装備は、なぜソ連時代のポンコツなのか」

悪化を続けるウクライナ情勢を考えるにあたり、この論文は有益な情報をもたらす。

東欧特有の構造的な問題やウクライナ独自の社会経済的な背景も考慮されるべきだが、問題の根本はやはり国を率いる政治家と官僚、軍将官の勉強不足だろう。ロシアのような強国との近代戦争に準備するにあたりエアパワーを軽視するなどあり得ない。

FNN『緊迫のウクライナ情勢 鈴木宗男&佐藤優解説 黒井文太郎&鶴岡路人』

前編・後編ともにお薦めします。




今夏の授業

今年の夏休みの機関には、前期に夏期授業を行うことになった。期間は1か月半。教えるのは国際関係学入門。

授業の形式は完全にリモートかつ asynchronous。つまり私が予め用意した動画を生徒が自分たちのペースで観るというもので、教員の私と直接やり取りすることはないようだ。日本の一部の予備校にありそうな、興味深いビジネスモデルだ。

Negotiating the Paris Agreement: The Insider Stories 読み始め

Negotiating the Paris Agreement: The Insider Stories を読み始めた。



2015年に成立し、2018年にアメリカが一方的に脱退しながら、2021年には復帰するという、中々問題となっているパリ合意。今回はそのインサイダー・ルックを約束する本を入手。

授業が始まり、研究の仕事も山積みだが、地球環境問題にも焦点を置いてみよう。

南シナ海にて米F35Cの事故発生

在日米軍や自衛隊との連携の意味などで日本の国防にも影響する問題が発生。早く回収できるように。


産経新聞「自民で対露制裁求める声 ウクライナ侵攻なら」



自民党内での興味深い見解だ。複雑な戦略的環境の中で繰り広げられる費用便益計算だが、慎重に行うべきだろう。もちろん、この見解を報道することによって多少ロシア側を牽制できるが、ウクライナ情勢で日本が実際に取れる選択肢は多くないはずだし、正しい答えを導くのはそんなに難しいとも思えない。

文中にある、「日本がウクライナ侵攻に対応しなければ欧州諸国から日本は二重基準といわれかねない」の部分だが、それは考え過ぎだ。欧州と日本が全く別の環境にあるのは前者にとって明らかで、この種の批判はあり得ないし、仮にあったとしても簡単に対応できる。そもそも、二重基準など国際政治の世界ではどこの国もやっていることで、気にし過ぎだ。

また、日本がロシアに対して今までより強く出ることがあるのなら、それは今回のようなウクライナ問題で出るのではなく、北方領土交渉の一部分など、より広義の対ロ政策の一貫として行うべきことだろう。環境もタイミングもスケールも間違えているようでならない。


Stuart Russell 氏の Human Compatible 読み始め

Stuart Russell 氏の Human Compatible を読み始めた。



人工知能の分野の第一人者による画期的な作品。読むのが少し遅いかもしれないが、避けては通れない道。少し読んでみたがとても読みやすそうだ。
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