Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

セントルイス大学政治学部教授。国際関係学科主任。元米空軍教員。

経歴・学術論文等はこちら:https://researchmap.jp/katagirinoriyuki

ブルースカイはこちら @norikatagiri.bsky.social。

執筆、講演等の仕事の依頼は nori.katagiri@slu.edu までお願いします。

研究者の方々へ、Global Studies Quarterly (https://academic.oup.com/isagsq) への寄稿を是非ご考慮下さい。副編集長として編集作業に携わっております。お気軽にお問い合わせください。日本の多くの大学がそうであるように、JUSTICE (https://contents.nii.ac.jp/justice) 所属大学の方々はオープンアクセス出版料金が免除されます。

2023年09月

イプソス「「若者に教員になることを薦める」日本人19% 」

調査結果を見て少し悲しくなる記事だった。

教員を目指す日本人の数が少ないこと自体が悲しいことだ。「教員教育が不十分」という点では同意する。

また、「あなたの国では、大半の教員が仕事に熱心に取り組んでいる」という設問に「そう思う」と答えた日本人が47%」しかいない点も残念だ。このブログで何度も書いているが、先生の仕事は「社会を知らない」のに先生をしているという風潮が未だに残っている点も関与するだろう。勉強「だけ」して先生になるのは社会人を経験していないと主張する人もいる。もちろんあらゆる意味で間違っている偏見である。

一方で、設問の仕方で得られるデータが変化するだろうという点も書いておきたい。例えば、「あなたの国では、大半の教員に十分な給与が支払われている」という設問を、「あなたの国では、大半の教員に仕事に見合った給与が支払われている」とすれば、それに肯定的に答える人の割合は増えていたのではないか。



プーチンのスピーチライターのインタビュー

プーチンのスピーチライターのインタビューが掲載された。



その仕事は2010年までで、直属の上司というわけではなかったようだが、数百回会っており、プーチンの人物像を十分描くことができる。

中々珍しい視点で、2022年のウクライナ侵攻をきっかけとするプーチンの変容振りに驚いているとのこと。

アメリカ政府のシャットダウンを迎えて

ここ数日で急激な注目を浴びている、アメリカ政府のシャットダウン。私が米政府職員だったときにも一度起こり、その時のエントリーが残っている。



読んでみるとファーロー当日は職場に顔を出していたようだ。今回もそうだろう。

R&R攻め

ここ3週間ほどで進めていたR&R、水曜日の午前中に完成させ再投稿した。その数時間後、別のR&Rが舞い込んできた。

これでここ数週間の間、ジャーナルに投稿したR&Rを3本連続で書き直している。肝心の本の執筆が遅れている!

それに加えて週二回の授業に、来週からは教員採用で予定が満杯に。と思っていたら査読の依頼が来た。断ればいいのに私の専門分野だったこともあり、つい了承してしまったw。

国際関係学キャプストンの研究議題のリスト

今学期教えている国際関係学キャプストンで学生たちが書いている論文の議題は以下の通り。今後2か月の間、各々で研究執筆をし、11月後半に口頭発表をする。

1.どのような要素において、2023年9月にアゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフを攻撃をしたのか?
2.南米のリチウム資源が引き起こす地政学的意味合い
3.第二次世界大戦のドイツのポーランド侵攻と2014年のロシアのクリミア併合の比較
4.スペインのスパイウェア使用を引き起こした政治的要素
5.アメリカの「新植民地主義」に対するメキシコの対応がなぜ変化しているのか?
6.2022年のロシア・ウクライナ戦争に対するバチカンの中立姿勢が政治的に何を意味しているのか?
7.米国内のインド人・パキスタン人の人身売買が持つ衣料品産業への意味合い
8.女性教育を推進するNGOがリベリア内戦にどのような影響を与えたのか?
9.トランプの移民政策がメキシコにおける北部三角地帯からの移民にどのような影響を与えたのか?
10.韓国の財閥と日本統治時代の関係
11.中国新疆地域に対するトルコの政策

ニューズウィーク「飛び級、落第を許さない日本の「横並び」主義が生む教育の形骸化」

少し前のだが、これはとても良い記事だと感じた。



著者が指摘する、七五三現象は初耳だった。加えて、「個別最適な学び」を取り入れる著者の主張の部分は、その論理的説明と証拠の部分が無かったため、少し強引ではないかと思うが、考え方には基本的に同意する。

記事を読んで思い出したのが中学校時代だ。私の市立中学校には登校をほとんどせず卒業した同窓が何人かいた。私の小学校時代の親友もその一人だった。記事で指摘されている通り何らかの理由で「進級させられてい」たのだが、果たしてそれが彼らにとって最も良い選択だったのだろうかと思う。親や学校の希望も理解できるが、ひょっとすると別の形で教育を受ける機会を考えることができたのではないか。

在英ブルガリア人スパイとロシアのコネクション

この件、詳細が徐々に明るみになってきた。



過去10年ほどイギリスで静かに活動していたようだ。テレビ・シリーズの The Americans を少し思い出したが、この場合は結構な大人になってからリクルートされたようだ。

となるとイギリス人として活動していたのではなく、言葉や文化などの面でもブルガリアを前に出したまま活動していた可能性が高い。

スローターボットのクリップを授業で見せてみた

今学期は国際関係学のキャプストンを教えており、授業では国際安全保障とサイバー安全保障に焦点を置いている。この一か月で基礎の部分を教え終えたので、先週から徐々にスピードを上げ、先端技術を含んだサイバー関係や人工知能の技術について教え始めた。

その授業の一環で、以下のビデオを見せた。



学生からの食いつきはとても良かった。うちの大学ではあまり教えていないのだろう。ボットが大量生産され社会にまき散らされる部分には大声を上げていた。

クリップを見せると、学生からの質問も多く寄せられ、この種の技術に対するアメリカ国内の法的枠組みや、人工知能を使用する場合の利点など、多角的に話すことができた。

来週からはニコル・パールロスの著書 This is how they tell me the world ends に取り掛かる。

東洋経済「 内閣改造の評価散々「林、木原ダブル交代」の裏側 」

面白い記事だったが、少し疑問に思う点がある。



林前外相との派閥内での微妙な関係については理解できるのだが、それは今回の解任劇には直接結びつかない。

記事にあるようにもしも岸田首相による林氏への警戒感が外相解任に至ったのなら、なぜそもそも林氏が外相に指名されたのか。そこまで警戒するなら最初から閣僚のポジションから遠ざけていただろう。別の説明が必要だ。

出張と研究の発表イベント

我が大学の国際関係学科では先週、今学期初のイベントを行った。学生と教員の研究と出張を語ることを目的とし、参加者は20名強。学部の小さな会議室が満員になった。

20230922_145359

話した内容はスペインとアルメニアで、質疑応答も盛り上がり、たった1時間のイベントだったが中身の充実した楽しい時間だった。
月別アーカイブ