2024年05月
元外交官による日本の北方領土政策を批判する意見。このブログでも著者の見解については何度か書いたと記憶している。
条約局のメンバー含めた外務省幹部の政治姿勢の描写は中々興味深いが、問題もある。それは著者はそれを一般化して外務省幹部が今になって「劣化」したと述べる点だ。それさえも検証するには難しい問題だが、仮に劣化していたとしても、それがそもそも現在の問題であるかも分からない。組織が劣化するには原因がそもそも組織内部に長い間あるものだ。この記事の主張は「俺の代はあんなに良かったのに、今の世代は…」と飲み屋で愚痴を言う人の態度に近いものがある。
更に、後出しじゃんけん的側面が否めない。著者が役人を辞めた今となって対露政策を批判することはそれほど難しいことではない。しかし著者が本来すべきなのは、著者が外務省勤務中に個人としてどれほどその政策に関わり、自分の意見を言い、対抗意見と戦い、どのような結果を導いたのかを書くことだ。内部にいながら批判できなかったのならば、我々のような外部の人間が対露政策を批判することと何ら変わらない。在勤中に著者が具体的に何をしたのかを書くべきだ。
来年の国際関係学会の提案書の締め切りが今週末。今年は業界の知人と一緒にラウンドテーブルを提案した。私にとっては初めての試みで、まだ会ったことのない専門家を含めて普通にメールしてみると、結構積極的に参加を約束してくれた。私を含めて7人のチームになった。
応募の結果を知るのは数か月後だが、この機会を元に近い将来更なるプロジェクトに関われれば幸いだ。
ここ数日で読んだ Tracy Walder の The Unexpected Spy は非常にナイーブな個人小説だった。これはアメリカ人高校生向きの作品で、有益な情報は非常に少ない。
著者は一つのことに長続きしないタイプで、リアルのスパイではなくエントリー・レベルのスタッフで、CIAもFBIの仕事も数年・数か月で辞めている。最初から諜報の仕事に向いていなかったのではないか、というのが私の結論だ。
夏休みに入り、少し自由な時間が生まれ、色々な本を読んでいる間に研究意欲が少し低下し、今後の方向性を模索していた日が数日続いた。天気と体調が優れなかったのもあるかもしれない。
今後徐々に拡大したいのが人工知能とサイバーに関する物で、具体的な研究材料を探している。これは3月にミズーリ大学で発表し、その後もオランダやフランスでも専門家と話し更なる刺激を受けたものだ。問題はデータ収集が難しい点とパズルの形成で、少し時間がかかるかもしれない。
その一方で、週末に入りスパイウェアの研究を再開した。こちらのほうはデータも徐々に出てきており、議題自体は新しいものではないため、楽しみながら執筆している。少し興味があるのが、スパイウェアと人工知能の関係で、方向性としては今後も頻出するものではないかと考えている。
ポスト・Brexit のイギリスの国政は様々な面で混迷しており、それがユーロスター乗車の手続きにも悪影響を及ぼしている。
搭乗前の指紋取りと写真撮影のために普段よりも早い2時間前に駅に到着していなければならないようだ。そして搭乗前のセント・パンクラスのあの待合室は大混雑する。
これはイギリス側の話だが、大陸からイギリスに渡る場合は更に悪化するのではないかと感じる。
特にブリュッセルからロンドンに行く場合、保安検査の前にまともな列は存在せず、色々な方向から来る乗客が一つの保安検査に殺到し、怒号にまみれた混乱を引き起こしている。普段からそうなのに、それに指紋取りと写真撮影を加えれば一体何時間前に駅に着いていなくてはならないのだろうか。
私に昇進推薦状を書いてくれた一人が明らかになった。本人が伝えてくれた(これは結構ある)。まさかの一言。やはりネットワークは大切だ。とても感謝している。
11月下旬にセントルイスで開かれる予定の国際関係学会中西部部会に参加することになった。
今回は定期のパネルに加えて、GSQの編集チームを代表し、共同編集長のブレントと共に専門誌のパネルに登壇する予定。
同会に参加予定の日本人がいれば是非ご挨拶をしたいと思っている。
ル・カレの小説は少し休み、Tracy Walder の The Unexpected Spy を読み始めた。
著者は大学卒業後すぐに諜報機関に入ったとしている。そうなるとは全く思っていなかったそうだ。その気持ちはよくわかるし、その点を他の人に伝えたい気持ちも理解できる。私もまさか米軍に入るとは全く思っていなかったので。
そして若手が諜報機関に入り活躍する、という主旨の本に私は弱い。この種の本は何冊読んだことか。恐らく心のどこかで憧れのようなものが残っているのだろうと思う。
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