Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

セントルイス大学政治学部教授。国際関係学科主任。元米空軍教員。

経歴・学術論文等はこちら:https://researchmap.jp/katagirinoriyuki

ブルースカイはこちら @norikatagiri.bsky.social。

執筆、講演等の仕事の依頼は nori.katagiri@slu.edu までお願いします。

研究者の方々へ、Global Studies Quarterly (https://academic.oup.com/isagsq) への寄稿を是非ご考慮下さい。副編集長として編集作業に携わっております。お気軽にお問い合わせください。日本の多くの大学がそうであるように、JUSTICE (https://contents.nii.ac.jp/justice) 所属大学の方々はオープンアクセス出版料金が免除されます。

2024年06月

プレジデント「よく似ていて覚えやすい…フランス語とスペイン語とイタリア語は3言語同時に学んだほうが良いワケ 」

各言語の教員からの反対意見はあるだろうが、ロマンス諸語とは言語学的に元々無縁の日本人として、これは同感。



大学生のころにフランス語とスペイン語の授業を同時に1学期取ったことがあった。言及されている3言語の取得には1つよりも当然時間がかかるだろうが、一度コツを学べば長期的に大きな恩恵を受けることができる。それは今でも実感する。

この3つと語源を共有するポルトガル語やルーマニア語を加えることもできる。同様に、英語を勉強するならドイツ語やオランダ語も…

週刊現代「60代自衛官が80代~90代の命を守る…自衛隊の人材不足が招く「日本の悲惨すぎる未来」」

日本国民が抱える自衛隊の大きな問題。



防衛予算の増加など肯定的な面も見られる一方、人材の話であるのだから個人レベルの問題となる。

文中には、「防衛省は民間企業と同じく採用対象年齢の拡大や女性の積極登用、雇用の延長に乗り出している」とあるが、大切な部分はやはり待遇にあると思う。給与、休暇、家族のケア、職場でのハラスメントなどの点での向上が必要になる。

「世界のリベラル・オーダー」のスペシャル・フォーラム@GSQ

ここ1年に渡って編集してきた世界のリベラル・オーダーのスペシャル・フォーラムが Global Studies Quarterly にて発表されました。



掲載論文30本以上、全てダウンロード無料です。日本の方もいます。欧州の国際関係学では特に根強いクリティカル・セオリーやオントロジーのアプローチが満載です。是非どうぞ。

Denise Garcia 氏の The AI Military Race 読み始め

Denise Garcia 氏の The AI Military Race を読み始めた。



出版社から少し前に贈ってもらっていたが、研究の方向性が定まらず少し距離を置いていた一冊。サイバーもそうだが人工知能の研究はこれからも避けられない。見識を広めるためにもぜひ完読したい。

Jeffrey Selingo 氏の Who Gets In and Why? 読了

Jeffrey Selingo 氏の Who Gets In and Why? を読了した。

アメリカの大学入学の戦略本で、合格するためにどのような準備が必要で可能なのかを、著者が1年間、幾つかの大学に近付いて調べた作品。

読みやすく、とても良かった。私が普段教える学生たちがどのような岐路を経て授業を取っているのか理解することができた。

2年前のドイツ・チェコ訪問

フェイスブックのフィードによると、2年前のこの時期はドイツとチェコを訪れていたようだ。



今思うとプラハもドレスデンも素晴らしい街で、また訪問したいと思う場所だ。ドイツは若いうちに、プラハは歳を取ってからゆっくり見て回るのが良いと感じる。

イギリスの専門誌に論文を投稿

未完成だった論文を週末に自分に鞭を売って完成させ、イギリスの専門誌に月曜早朝に投稿した。

この論文は5000字と短めで、短めの論文の応募を募っている専門誌を狙って書き上げたもの。なのでリジェクトされればそれに文字数を加え、別の専門誌に投稿することを意図としている。

現代ビジネス「終身雇用はもはや崩壊、退職金もなくなる…衰退ニッポンがこれから直面する「大変化」」

私はこの著者の主張をここ数日において読んでいてとても感銘を覚えている。最新書の購入も考えている。



この記事の要点は2ページ目の「重要ポストへの就任や多額の報酬を得たい人はスキルアップを図ればいいということである」にあり、私は基本的にその意見に賛成だ。が、日本の今の若手・中堅のサラリーマンの多くはスキルアップのための時間を見つけられないほど圧迫されている。

退社後の強制飲み会の時代は過ぎたものの、都心では通勤と育児で疲れ果て、会社に戻ればノルマの圧力と残業が残っている。そんな中、スキルアップのための充分な時間を確保することは簡単なことではない。

クリティカル・セオリー系の国際関係学

少し前に、ヨーロッパを中心とした国際関係学ではオントロジーやクリティカル・セオリー系の研究が凄いスピードで進んでいる点を指摘した。4月頭にサンフランシスコで開かれた国際関係学会ではその傾向が強く見られた。



編集の手伝いをするGSQでもその傾向は顕著で、今回はサイバー安保系のテーマをクリティカルに検証するスペシャル・イシューを審査した。

一般的に言う「クリティカル・サイバー・セキュリティ」のサブ分野はスイスの学者を中心として少し前に生まれ、それがヨーロッパ地域内でここ数年の間に急速に広まり、今日に至っている。

面白いのはアメリカのサイバー安保学で、こちらはクリティカルとは一線を画し、理論及び実証系が中心で、大西洋間のギャップを生み出している。

来年度の国際関係学会@シカゴには欧米のサイバー安全保障研究者を集めたラウンドテーブルを提案したが、それらのほとんどがアメリカで博士号を取った人たちということもあり、理論及び実証系の研究を中心にチームを組んだ。

欧州の人たちは彼らなりにテーマを立ててラウンドテーブルの提案をしているのは知っているが、この点でもアメリカとヨーロッパのサイバー研究の距離感を感じ取ることができる。私も実は後者の方にも入りたいんですけどねw。

高村薫氏の「李歐」読了

高村薫氏の「李歐」を読了した。

構成、文体など全ての面で完成しており、私が読んだ高村氏の作品の中でも最高級の出来栄えだ。舞台の大阪府の姫里は私が若いころ過ごした地域に近く、感情を移入して読みふけることができた。

ただ、読んでいてとても悲しくなる作品でもある。多くのものに対して不感の主人公は、その育った環境の悪さもあり、李欧の人生に惑わされながら、路頭に迷いながら生き続ける。最初から最後まで内容が暗いため、作品としては素晴らしいのだが、また読みたいとは思わない一冊でもある。
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